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【2026年最新】店舗ビジネスの開業資金はいくら?調達・融資の基本と資金計画

新しく店舗を開くときに必要な資金は、日本政策金融公庫 総合研究所の2024年度調査で平均985万円・中央値580万円という数字が出ています。ただし業種・規模・立地によって大きく幅があり、250万円未満の小規模な開業も少なくありません。この記事では、開業資金の考え方と代表的な調達方法の基本を順番に整理します。


この記事でわかること

  • 開業資金の2種類(設備資金と運転資金)の違いと計画への組み込み方

  • 2024年度調査でわかった開業費用の水準感と費用分布

  • 自己資金と金融機関からの借り入れの組み合わせの実態

  • 日本政策金融公庫の創業融資の基本的な仕組み

  • 補助金・助成金の探し方と注意点

  • 資金計画で見落としやすい月次コストの考え方


開業資金の考え方:設備資金と運転資金

開業資金は大きく「設備資金」と「運転資金」に分かれます。この2つを混ぜて一つの数字で考えていると、開業後しばらくして手元資金が足りなくなるリスクがあります。最初に区分を理解しておくと、必要な調達額の計算が具体的になります。

設備資金は「開業のために一度かかる費用」

設備資金とは、事業を始めるために必要な機械・備品・内装工事費用など、開業時に一度支出する費用です。業種や店舗規模によって内訳は変わりますが、共通するのは「一度払ったら、その後は毎月かかるわけではない」という点です。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21の整理では、物件の保証金・事務手続き・登記関連費用・開業前に準備する備品類は「設備資金」ではなく「諸費用」として区分されます。設備資金・運転資金・諸費用の3つが開業時の資金区分の基本です。

運転資金は「開業後も毎月続くコスト」

運転資金は、事業を続けていく上で日々かかる費用です。材料費・仕入費用・販売関連の消耗品などの変動費と、人件費・物件賃貸料などの固定費に分かれます。

開業直後は売上が安定するまでに一定の時間がかかることが多く、その間も運転資金は毎月出ていきます。J-Net21(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)の案内では、開業時点で運転資金の2〜3カ月分があると安心、とされています。多めに見る場合は3〜6カ月分という考え方もありますが、まず2〜3カ月分を目安に計画を立てるとよいでしょう。

融資でも設備資金と運転資金は区分されている

日本政策金融公庫の融資制度でも、設備資金と運転資金は返済期間が別に設定されています(設備資金20年以内・運転資金10年以内・据置期間それぞれ5年以内)。資金計画を立てるときに、「一時費用としての設備資金」と「毎月続く運転資金の数カ月分」に分けて必要額を書き出すと、調達すべき金額の輪郭が見えやすくなります。


実際の開業費用の目安

店舗の開業資金の目安:平均985万円・中央値580万円(出典:日本政策金融公庫)

「自分の業種・規模だとどのくらいかかるのか」は、開業前に最初に知りたい数字です。参考になる調査データを整理します。

平均985万円・中央値580万円

日本政策金融公庫 総合研究所「2024年度新規開業実態調査」(2024年8月実施)によると、新規開業企業の開業費用は平均985万円・中央値580万円でした(全業種平均)。また長期的にみると少額化の傾向にあるとされています。

平均と中央値に差があるのは、費用の大きい一部の開業が平均を押し上げているためです。業種・立地・規模によって幅が大きく、単純に平均額を自分のターゲットとして使う必要はありません。

小規模な開業が主流:費用分布

同調査によると、開業費用の分布は次のとおりです。

費用帯

割合

250万円未満

20.1%

250万〜500万円未満

21.0%

500万〜1,000万円未満

30.7%

出典:日本政策金融公庫 総合研究所「2024年度新規開業実態調査」

500万円未満での開業が全体の4割を超えており、小規模な開業が主流です。業種別の相場については、飲食・サロン・ネイル・エステなど業種ごとに目安とされる数字が複数の情報サイトに出ていますが、単一の公式統計はなく業種・規模・立地による幅が大きいため、自分のプランに近いケースは日本政策金融公庫への相談や業界団体の情報を参考にするとよいでしょう。

「資金繰り・資金調達」が開業時の苦労の最多回答

同調査では、開業時に苦労したこととして「資金繰り、資金調達」が59.2%で最多でした。次いで「顧客・販路の開拓」が48.1%です。開業前の段階で資金の準備と計画を丁寧に進めておくことの重要性は、この数字にも表れています。


資金の集め方:自己資金と借り入れの組み合わせ

開業資金の調達先は、自己資金と金融機関等からの借り入れが中心です。調査データから実態の水準感を確認しておきます。

調達額と内訳の実態

日本政策金融公庫 総合研究所の2024年度調査によると、開業時の資金調達額は平均1,197万円でした。内訳は次のとおりです。

調達先

平均金額

全体に占める割合

金融機関等からの借り入れ

約780万円

65.2%

自己資金

約293万円

24.5%

両者の合計


約89.6%

出典:日本政策金融公庫 総合研究所「2024年度新規開業実態調査」

自己資金と金融機関からの借り入れの2つで、調達全体の約9割を占めます。

自己資金は「全体のおよそ4分の1」という水準感

調査データでは、自己資金は平均293万円・全体の約24.5%という水準です。「いくら自己資金があれば融資を受けられるか」という問いに対して、特定の比率を要件として示すことはできません。現行の日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」のページには自己資金の具体的な数値要件の記載がなく、個別の融資条件は公庫への確認が必要です。

調査の実績値を参考にするなら「調達全体のおよそ4分の1」という水準感で、残りを借り入れで補う組み合わせが一般的です。自己資金の状況に応じた調達の進め方は、日本政策金融公庫や税理士・中小企業診断士などの専門家への相談を活用するとよいでしょう。


公的融資を活用する:日本政策金融公庫

創業期の代表的な融資先として、日本政策金融公庫(国民生活事業)の融資制度があります。

新規開業・スタートアップ支援資金の基本

「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方を対象とした融資制度です。

項目

内容

対象

新たに事業を始める方、または事業開始後おおむね7年以内の方

融資限度額

7,200万円

返済期間(設備資金)

20年以内(据置期間5年以内)

返済期間(運転資金)

10年以内(据置期間5年以内)

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

「融資限度額7,200万円」は制度上の上限です。実際の融資額は、事業計画の内容や必要資金の規模によって変わります。

創業計画書の準備が出発点

公庫の融資申請では、一般に創業計画書(事業の概要・必要な資金と調達方法・売上と費用の見込みなどをまとめた書類)の提出が求められるといわれます。事業内容や市場の見通し、収支の計画を具体的な数字で示す準備が必要です。申請前に、日本政策金融公庫のウェブサイトや J-Net21 で必要書類と手順を確認するとよいでしょう。

融資の審査可否や「いくら借りられるか」といった個別の判断は、日本政策金融公庫の窓口か税理士・中小企業診断士などの専門家への相談をおすすめします。

地方の制度融資や信用金庫も選択肢のひとつ

日本政策金融公庫以外にも、都道府県・市区町村の制度融資(信用保証協会と自治体が協力する融資)や信用金庫の創業向けローンも選択肢にあります。条件や金利が異なるため、よろず支援拠点・商工会議所・税理士を通じて複数の選択肢を比較するとよいでしょう。


補助金・助成金も探してみる

融資(返済が必要な資金)とは別に、補助金・助成金(返済不要の支援)も資金調達の選択肢のひとつです。

特徴と探し方

補助金・助成金は国・都道府県・市区町村がそれぞれ設けており、種類・要件・採択枠・公募期間は制度ごとに毎年変わります。「必ず受けられる」という性質のものではなく、申請後に採択されないケースもあります。個別の申請要件や支給額、公募スケジュールは、各制度の最新情報の確認が必要です。

探し起点として、経済産業省 中小企業庁が運営する「ミラサポplus(mirasapo-plus.go.jp)」があります。国・都道府県・市区町村の補助金・助成金などの支援制度をまとめて検索できる無料のポータルサイトです。商工会議所・よろず支援拠点・補助金の専門家への相談もあわせて活用するとよいでしょう。


資金計画に月次コストを忘れずに

開業費用を考えるとき、内装工事費や備品代などの初期投資に目が向きがちです。ただし開業後に毎月かかる運営コストを計画に入れておかないと、売上が安定する前に手元資金が尽きるリスクがあります。

月次の固定費を先に書き出す

家賃・人件費・通信費・保険料・水道光熱費など、売上がゼロでも必ず出ていく固定費を一覧にします。この合計額が「月に最低限かかる金額」です。先にこの数字を出しておくと、「いつまでに何件の売上が必要か」という逆算もしやすくなります。

予約・レジ・決済などのシステム費用も固定費の欄に入れる

店舗を運営するには、予約管理・POSレジ・決済・顧客情報を管理するためのシステムも必要です。こうしたクラウド型のツールは初期費用が抑えられる一方、月額の利用料が継続してかかります。資金計画の固定費の欄に、これらのシステム費用もあらかじめ盛り込んでおくと、開業後に予想外の支出として驚かずに済みます。

サロン向けのクラウドPOS「SalonX」は、予約・レジ・決済・顧客情報の管理を一台でまとめて対応でき、月次コストをひとつの費用項目として計画に組み込みやすい仕組みになっています。


まとめ

開業資金の基本を整理します。

  • 開業資金は「設備資金(一時費用)」と「運転資金(月々のコスト)」に分けて計画を立てる

  • 開業費用は2024年度調査で平均985万円・中央値580万円。業種・規模・立地で幅がある

  • 調達の中心は金融機関からの借り入れ(平均65.2%)と自己資金(平均24.5%)の組み合わせ

  • 公的融資の入り口として、日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」がある(融資限度額7,200万円、設備20年以内・運転10年以内)

  • 補助金・助成金はミラサポplusで探し始め、要件や手続きは専門家に確認する

  • 資金計画には予約・レジなどの月額システム費用も固定費として含めておく

まず手元の数字を「設備資金」と「開業後2〜3カ月分の運転資金」に分けて書き出し、不足分の調達方法を絞り込んでいくと、計画が具体的になります。


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よくある質問

開業資金はどのくらい必要ですか?

日本政策金融公庫の2024年度調査では、新規開業企業の開業費用は平均985万円・中央値580万円でした。ただし業種・規模・立地によって大きく幅があり、「250万円未満」で開業するケースも20.1%あります。自分のプランを見積もるときは、設備費用と開業後2〜3カ月分の運転資金を合算した金額を出発点にすると計画が立てやすくなります。

自己資金はどのくらい準備すれば融資を受けられますか?

融資の審査条件は融資先によって異なります。調査データでは、開業時の資金調達全体に占める自己資金の割合は平均24.5%(約293万円)という水準感です。具体的な審査条件は日本政策金融公庫や金融機関に直接確認してください。記事では固定の比率を要件として示すことはできません。

日本政策金融公庫の融資はどこで相談できますか?

日本政策金融公庫は全国に支店があり、電話や窓口で相談できます。公庫のウェブサイトから最寄りの支店を確認してください。また、商工会議所・よろず支援拠点・税理士・中小企業診断士も創業融資の相談窓口として利用できます。

補助金は必ずもらえますか?

補助金・助成金は種類によって対象・要件・採択枠・公募期間が異なり、申請しても採択されないケースがあります。「必ずもらえる資金」として資金計画に織り込むのは避け、補助が得られた場合の上乗せと位置づけるのが安全です。ミラサポplus(mirasapo-plus.go.jp)で自分の業種・地域に合った制度を探し、商工会議所や専門家に相談しながら進めるとよいでしょう。

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