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【2026年版】サロン・店舗開業の流れ 完全ガイド|準備から届出・集客まで
サロンや店舗を開業するには、コンセプト決めから資金計画、物件探し、内装工事、各種届出、集客準備まで、複数のステップを順番に進める必要があります。どこから手をつければいいかわからない、という状態が最も時間のロスになります。この記事では、業態を問わず共通するサロン・店舗開業の流れを7つのステップで整理し、各段階で確認すべきポイントと、詳細を参照できる専門記事へのリンクをまとめます。
この記事でわかること
サロン・店舗開業の7つのステップと、それぞれで必要な準備の概要
開業費用の目安と、資金調達で活用できる公的融資の位置づけ
業態によって届出・許認可が大きく変わるポイントと確認の順番
内装工事と消防署への届出など、見落とされがちな手続き
開業前に仕込んでおくべき集客とシステムの準備
各ステップの詳細記事(物件・資金・内装・事業計画書・業種別)へのリンク
サロン・店舗開業の全体像:7つのステップ
サロン・店舗開業の流れは、業態を問わず大きく以下の7段階で進めるのが一般的です。ただし、ステップの順序や並行して進めるタイミングは物件の状況や資金の調達状況によって前後します。まずは全体を地図として把握することが、抜け漏れなく準備を進める第一歩です。
ステップ | 内容 | 目安の時期 |
|---|---|---|
STEP 1 | コンセプト・業態を決める | 開業12〜18か月前 |
STEP 2 | 資金計画と調達方法を立てる | 開業12〜18か月前 |
STEP 3 | 物件を探して契約する | 開業6〜12か月前 |
STEP 4 | 内装工事と設備を整える | 開業3〜6か月前 |
STEP 5 | 必要な届出・手続きを済ませる | 開業1〜3か月前 |
STEP 6 | 予約・集客ツールを準備する | 開業1〜3か月前 |
STEP 7 | 開業・初月の集客スタート | 開業当日〜 |
STEP 1とSTEP 2はほぼ同時に進み、物件が決まるSTEP 3以降に具体的なコストが確定します。届出(STEP 5)は物件・内装が固まった段階で進めるものが多く、消防署・保健所・税務署への届出が集中する時期が開業前1〜3か月です。
業態によって手続きの内容が大きく変わる
STEP 1で選んだ業態によって、STEP 5の届出・許認可の内容が分岐します。美容室は美容師の国家資格と保健所への開設届が必要ですが、一般にネイルサロン・エステサロン・リラクゼーションサロンは国家資格や美容所登録が不要とされています。ただし施術内容によっては別の法規制が適用される場合もあります。詳細は業態別ガイドをあわせてご確認ください。
美容室の開業ガイド(準備中)
ネイルサロンの開業ガイド(準備中)
エステサロンの開業ガイド(準備中)
STEP 1:コンセプトと業態を決める
開業の準備はコンセプトを固めるところから始まります。コンセプトとは「どんなお客様に」「どんな体験を」「どんな価格帯で」提供するかを一言で表したものです。この段階の精度が、物件選び・内装・価格設定・集客の方向性まで一貫して影響します。
差別化が問われる市場の現状
全国の美容所(美容室)は増加傾向にあり、厚生労働省の調査では2024年3月末時点で274,070件と過去最多水準にあるとされています(出典:厚生労働省『令和5年度衛生行政報告例』を報じた業界メディア。一次数値はe-Stat・厚労省の公表資料で確認することをおすすめします)。美容室に限らず、ネイル・エステ・リラクゼーション等のサービスサロンも含めると、地域によっては競合が飽和している商圏も少なくありません。競合が多い市場で集客するには、「このサロンでなければ」と感じてもらえるコンセプトが土台になります。
コンセプトを固める3つの軸
コンセプトを整理するときに確認したいのは、次の3つの軸です。
誰に向けるか(ターゲット):年代・ライフスタイル・悩み。「平日のランチタイムに立ち寄りたいOL」「60代のお客様が安心して通えるシニア向け」など、具体的に絞るほど訴求が明確になります。
何が強みか(専門性・差別化):技術・サービス・空間・アクセスなど。「このサービスならここ」という一点突破が来店動機になります。
どんな体験にするか(雰囲気・価格帯):プレミアム感なのか、気軽に来られる日常使いなのかで、内装・接客・価格帯の方向性が変わります。
コンセプトが固まった段階で、業態の確認も同時に進めます。美容室なのか、ネイルサロンなのか、リラクゼーションなのかで、STEP 5の届出・必要資格の内容が大きく変わります。
STEP 2:資金計画と事業計画書を準備する
コンセプトが固まったら、開業に必要な資金の規模感を把握し、調達方法と事業計画書の準備に入ります。日本政策金融公庫の調査では、開業時に苦労したこととして「資金繰り・資金調達」が56.9%で最多となっており(出典:日本政策金融公庫 総合研究所「2025年度新規開業実態調査」、2025年12月発表)、早い段階で全体像を把握することが重要です。
開業費用の規模感を把握する
日本政策金融公庫の「2025年度新規開業実態調査」によると、全業種を対象にした開業費用の平均は975万円、中央値は600万円です。「250万円未満」が20.1%、「250万〜500万円未満」が21.7%と、4割以上が500万円未満で開業しています(出典:同調査、https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_251205_1.pdf)。
重要な注意点: この数値は全業種を混合した統計です。サロン単体の開業費用は規模・業態(美容室・ネイル・エステ・リラク)・立地・坪数によって大きく異なり、一律に断定できません。一般に小規模の個人サロンはこれより小さくなるといわれています。まずは見積もりを取りながら、自分のサロンの規模感に合った数字を確認してください。開業費用の内訳と調達方法の詳細は、開業資金ガイドで解説しています。
資金調達の中心は借入と自己資金
同調査によると、開業時の資金調達額の平均は1,219万円です。内訳は金融機関等からの借り入れが827万円(67.9%)、自己資金が279万円で、両者が調達額の約9割を占めます。多くのオーナーが自己資金だけでは賄えない規模の費用を、借入と組み合わせて調達しています。
公的融資の代表例として、日本政策金融公庫の創業融資制度があります。申し込みには事業計画をまとめた「創業計画書」の提出が求められ、様式は公庫のウェブサイトからダウンロードできます(出典:日本政策金融公庫「創業計画の書き方/各種書式ダウンロード」、https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/business-plan/)。制度の詳細(融資条件・自己資金の目安・書類の具体的な書き方)は、公庫の窓口または税理士・中小企業診断士に確認することをおすすめします。
事業計画書の役割
資金調達の申し込みに使うだけでなく、事業計画書は自分の開業の構想を整理するツールでもあります。売上目標・費用の見通し・客単価・想定集客数を数字で書き出すと、どの規模の物件や設備が現実的かが見えてきます。事業計画書の書き方は、事業計画書ガイドで詳しく解説しています。
STEP 3:物件を探して契約する
資金の目安が固まったら、物件探しに入ります。物件選びは開業コストと集客の両方に直結するため、コンセプトを軸に絞り込みます。
立地選びのポイント
立地は「誰に来てほしいか」に合わせて選びます。駅近・商業エリアは集客しやすい反面、賃料が高くなりがちです。住宅街や路地裏の隠れ家型は賃料を抑えられますが、認知を広げるまでに時間がかかります。コンセプトで決めたターゲット層の生活動線と、自分が毎日通えるかどうかの2つで絞るのが現実的です。
物件を内覧するときに確認したいのは、次の点です。
保健所の基準を満たせる構造かどうか(美容室の場合は特に重要)
内装工事が可能か(スケルトン渡し or 居抜き)
電気・水道・排水の容量
看板・外装の制限
居抜き物件とスケルトン物件の選択
物件には「居抜き」(前テナントの内装・設備が残っている)と「スケルトン」(骨格だけの状態)の2種類があります。居抜き物件は内装工事費を抑えられる半面、前テナントの造作を引き継ぐ費用(造作譲渡料)が発生するケースがあります。美容室の場合は、シャンプー台の配置や水回りが保健所の基準を満たすかどうかも確認が必要です。居抜き物件の費用と注意点の詳細は、居抜き物件ガイドで解説しています。
物件の初期費用を把握する
物件契約の初期費用(敷金・礼金・保証金など)は、賃料の数か月分になることが一般的です。内装工事費と合わせると、物件確保だけで大きな資金が動きます。坪単価の目安は業態・立地・施工内容によって大きく変動するため、複数の施工会社から見積もりを取ることで実態をつかむのが確実です。
STEP 4:内装工事と設備を整える
物件が決まったら、内装工事の計画と設備の手配に入ります。開業前の中で最も費用とスケジュールの管理が難しいフェーズです。
内装工事のスケジュール管理
工事の期間は規模によって数週間から数か月かかります。美容室の場合はシャンプー台の排水工事や換気設備など、保健所の基準に対応した施工が必要なため、内装会社の選定段階で保健所の検査基準を共有しておくことが重要です。工事が遅れると開業日がずれ込み、固定費が先行して発生します。スケジュールには余裕を持たせ、主要な工程の完了日を逆算して管理することをおすすめします。内装工事費の目安と業者選びのポイントは、内装工事費ガイドで詳しく解説しています。
消防署への届出:見落とされがちなステップ
内装工事の段階で見落とされがちなのが、消防署への届出です。建物やその一部を新たに使用して店舗を開く場合、使用を始める7日前までに管轄の消防署へ「防火対象物使用開始届出書」を提出する必要があります(出典:東京消防庁『防火対象物の使用開始の届出をしよう』、https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/bouka02.html)。届出後に消防検査を受け、基準を満たしていることが確認されます。対象範囲や運用は規模・自治体によって異なるため、工事開始前に管轄消防署に確認してください。
設備・什器の選び方
サロンに必要な設備・什器は業態によって異なりますが、共通して検討が必要なものとして以下があります。
施術用機材・家具(施術台、シャンプー台、ネイルデスク、チェアなど)
レジ・決済端末(POSレジ・キャッシュレス対応)
予約・顧客管理システム(STEP 6で詳しく解説)
備品・消耗品の初期在庫
高額な設備を一度に購入するかリースにするかは、資金計画と照らし合わせながら判断します。
STEP 5:必要な届出・手続きを済ませる
内装工事が進む時期に並行して、各種届出の手続きに入ります。届出が遅れると開業日に影響するため、早めに管轄の窓口に確認することをおすすめします。業態によって必要な手続きが大きく異なるため、このステップは必ず自分の業態に合わせて確認してください。
税務署への開業届
個人が新たに事業を開始した場合、納税地を所轄する税務署へ「個人事業の開廃業等届出書(開業届)」を提出します(出典:国税庁 タックスアンサー No.2090『新たに事業を始めたときの届出など』、https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2090.htm)。提出の期限や、青色申告承認申請書との関係については、税務署または税理士にご確認ください。法人で開業する場合は手続きが異なります。
保健所への届出(美容所の場合)
美容室を開業する場合は、保健所への開設届の提出と構造設備の立入検査が必要です。検査で基準に適合していることが確認されてから、営業を開始できます。届出のタイミングや必要書類、立入検査の進め方は自治体によって異なります(参考:札幌市保健所『理・美容所 開設手続きの流れ』、https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f3seikatu/eigyo/kakunin3/ribi/todokede/kaisetsu.html)。管轄の保健所に事前相談してから手続きを進めるのが確実です。詳しい手続きの流れは、美容室の開業ガイド(準備中)で解説する予定です。
業態別の許認可:専門家・官公庁への確認が必須
開業に必要な届出や資格は業態によって分岐します。一般的な整理として、美容室は美容師免許と保健所への開設届が求められる一方、ネイルサロン・エステサロン・リラクゼーションサロンは一般に国家資格や美容所登録が不要とされています。ただし、施術の種類や内容によっては別の法規制が適用されることがあります(参考:ビューティガレージ「SALONスターター」業界解説記事、https://kaigyo.beautygarage.jp/archives/14627)。
許認可の詳細は業態ごとに異なり、また変更される可能性もあります。必ず管轄の保健所・自治体の担当窓口、または専門家(行政書士・弁護士)に確認してください。各業態の詳細は業種別ガイドをあわせて参照してください。
美容室の開業ガイド(準備中)
ネイルサロンの開業ガイド(準備中)
エステサロンの開業ガイド(準備中)
STEP 6:予約・集客ツールを準備する
届出の手続きと並行して進めたいのが、予約・集客ツールの準備です。開業後にバタバタしてからシステムを導入しようとすると、オペレーションが安定するまでに時間がかかります。開業初日から使える状態にしておくことが、早期の安定稼働につながります。
開業前から集客を仕込む
JFCの調査では、開業後に最も苦労していることとして「顧客・販路の開拓」が48.8%で首位になっています(出典:同調査)。集客の課題は開業時だけでなく、開業後も続く最大の関門です。開業前にできる集客の仕込みとして、まず取り組みやすいのは次の3つです。
Googleビジネスプロフィールの登録:地域で「○○サロン 地名」と検索されたときに表示されるための基本。開業前でも登録でき、開業日に合わせて公開できます。
SNSアカウントの開設と事前投稿:InstagramやXなどで開業前から施術のビフォーアフターや準備の様子を発信すると、開業当日から認知がある状態をつくれます。
予約ポータルへの掲載の検討:新規のお客様を集める入り口として、ホットペッパービューティーやミニモなどの掲載を検討します。新規集客の力はポータルが強く、開業初期に活用する意味があります。
集客ポータルは新規の獲得には強い一方、予約ごとに2〜15%の手数料がかかるのが一般的です。新規はポータルで集め、来てくれたお客様との関係を自社チャネル(LINE・SNS直接予約)で育てていくという役割分担を最初から意識しておくと、集客コストの構造が安定します。
予約・管理システムの選び方
開業時に導入するシステムとして最低限整理すべきは、「予約管理」「顧客情報の管理」「会計・レジ」の3つです。紙や異なるアプリで別々に管理すると、予約の取りこぼしや二重入力が起きやすくなります。システムで一元管理しておくと、スタッフが変わっても引き継ぎやすく、開業後の運営が安定します。選び方のポイントは次のとおりです。
業態・規模に合っているか:1人サロンか複数スタッフかで必要な機能が変わります
予約とレジが連動しているか:データが連動していないと二重入力が発生します
スタッフ給与・指名料の計算に対応しているか:特に美容室では重要な機能です
LINE連携・自社予約に対応しているか:開業後の自社チャネル育成を見越して選ぶと、集客コストを管理しやすくなります
SalonXで開業初日から一元管理
サロン向けクラウドPOS「SalonX」は、予約・会計・決済・顧客管理・給与計算・LINE連携を一台で管理できるシステムです。開業初日から予約の取りこぼしを防ぎ、顧客情報と会計が連動した状態でスタートできます。
新規のお客様はポータルで集め、来てくれたリピーターのお客様の予約はLINEや自社チャネルで育てる。その両方の流れを一つのシステムで管理できます。
秋葉原・池袋で美容室を運営するOFF-KAIの創業者・茂木貫太様は、こう話します。
「自社SNSからの予約導線が格段に充実しています。集客プラットフォームへの依存度を本質的に下げることができる嬉しいシステムです。」
ポータルの集客力を活かしながら、リピーターを自社チャネルで育てる。その両立を支えるのが、一元管理のシステムです。
まとめ
サロン・店舗開業の流れは、次の7つのステップで進めます。
コンセプト・業態を決める:ターゲットと強みを明確にし、業態を確定する
資金計画を立てる:費用の目安を把握し、公的融資を含む調達方法と事業計画書を準備する
物件を探して契約する:コンセプトと予算に合った立地・物件を絞り込む
内装工事と設備を整える:消防署への届出も忘れずに、スケジュール管理を徹底する
必要な届出・手続きを済ませる:業態によって手続きが分岐するため、管轄窓口・専門家に確認する
予約・集客ツールを準備する:開業前から集客を仕込み、システムは開業初日から使える状態にする
開業・初月の集客をスタートする:ポータルと自社チャネルの役割分担を意識して動く
開業準備で共通して苦労するのが「資金繰り」と「集客・顧客開拓」の2つです。早い段階で全体の流れを把握し、資金調達の準備と集客の仕込みを同時に進めることが、スムーズな開業の鍵になります。各ステップの詳細は、下記の専門記事をあわせて参照してください。
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よくある質問
サロンの開業費用はいくらが目安ですか?
日本政策金融公庫の調査(全業種、2025年度)によると、開業費用の平均は975万円、中央値は600万円です。ただしこれは全業種の混合平均であり、サロン単体の相場ではありません。規模・業態・立地によって大きく変わるため、まず施工会社から見積もりを取ることが重要です。一般に小規模の個人サロンはこれより小さくなるといわれています。
サロン開業に必要な届出は何ですか?
個人事業として開業する場合は税務署への開業届が共通して必要です。美容室はさらに保健所への開設届と構造設備の立入検査があります。消防署への届出(防火対象物使用開始届出書)も必要になるケースがあります。ネイルサロン・エステ・リラクゼーションは一般に保健所への届出が不要とされますが、施術内容によっては別の規制が適用される場合もあります。詳細は管轄の窓口や専門家にご確認ください。
開業資金の調達はどうすればいいですか?
代表的なのは、日本政策金融公庫の創業融資制度です。申し込みには創業計画書(事業計画書)の提出が求められます。民間の銀行・信用金庫の融資や、自治体の補助金・助成金も選択肢になります。制度の詳細や自己資金の目安は、公庫の窓口または税理士・中小企業診断士に相談するのが確実です。「開業資金ガイド」もあわせてご覧ください。
開業前にどんな集客準備をすればいいですか?
まずGoogleビジネスプロフィールの登録、SNSアカウントの開設と事前投稿、予約ポータルへの掲載の検討の3つが基本です。開業後に最も苦労することとして「顧客・販路の開拓」が挙げられています(JFC調査:開業後48.8%が課題として継続)。新規はポータルで集め、リピーターはLINEや自社チャネルで育てる役割分担を最初から意識しておくと、集客コストの管理がしやすくなります。



